東京アプローチの成果
AIでBPSD発症を予測し、介護施設に伝達しました。
具体的には、AIによりBPSDが10時間以内に発生すると予測されたことを
介護スタッフのスマートフォンに連絡しました。
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AIでBPSD発症を予測し、介護施設に伝達しました。
具体的には、AIによりBPSDが10時間以内に発生すると予測されたことを
介護スタッフのスマートフォンに連絡しました。
湿度が高いほど発症しやすいなど、膨大なセンサーデータの解析により、BPSD発症に影響している因子が分かりました。
具体的には、呼吸数や心拍数の変化が発症に影響していることが分かりました。また、歩行速度やふらつき度、短時間の立ち止まり回数なども、BPSD発症に影響していることを発見しました。
妄想、暴言、繰り返し質問など、BPSDの種類によって周期性が見られることが分かりました。
BPSDの進行には個人差がある上、同じ人においても進行の経過によって発症するBPSDの種類が変わることがデータからも分かりました。
AI/IoTシステムの導入にあたって、現場での電源確保やネットワーク構築、現場運用などに関する多くの知見を発掘しました。多くの施設では居住空間におけるICT導入が想定されていなかったために、電源やネットワークに関する基盤を整えるところから計画する必要があります。またスタッフのICTリテラシー向上をサポートすることも重要です。介護施設では今後、ICT導入による生産性向上が益々求められますが、空間設計やICT教育も含めたDX推進デザインが必要であることが分かりました。
現場では電源を抜いてしまう、LEDの光を邪魔に感じる、ウェアラブルで支障をきたすなど、認知症高齢者であるがゆえの妄想、繰り返し行動、皮膚の弱さなどに起因する行動も見受けられました。
このような発見は介護施設での実証実験だからこそ発掘できたものであり、参画した法人にとって認知症の方々へ配慮すべき点が明確になったことが大きな成果です。
医学の立場からも、心拍数や歩行状態が24時間記録されることから、これまでの病院での一時的な診療とは異なり、多くの時間と人数を継続的に診断できるため、その便利さと価値の大きさを実感できました。医療現場でも、AIとIoTに助けられながら、認知症の患者さんに向き合っていくことで、認知症医療が発展していく可能性を感じています。
協力施設からは、本事業に参加したことで介護スタッフのBPSDに対する理解が深まったという報告が複数ありました。BPSD発症を意識して観察するようになったため、声がけや対応もよくなったとのことです。
また、AI/IoTシステムに対する期待の声もあがりました。
AI/IoTシステムにより認知症の方の状況を知ることが介護の負担を軽減できることを実証するために、デイサービス(ソラスト流山)の利用者様に参加していただきました。介護スタッフとご家族には睡眠状態を見える化しました。ご家族からは状況がわかることは安心感につながるというお言葉をいただきました。
この実証実験では、介護スタッフのストレスも計測し、心身の健康管理を見える化しました。介護施設では認知症の方と介護スタッフの状況を把握できるようになり、ケアの参考にすることができました。
AI/IoTシステムを活用して認知症の方や介護スタッフの状況の見える化を図ることが、安心感やよりよいケアにつながり、介護スタッフの負担軽減にもつながることが分かりました。ソラスト流山では継続してご利用いただきます。