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東京都「大学研究者による事業提案制度」採択事業

AIとIoTにより認知症高齢者問題を多面的に解決する東京アプローチの確立


認知症高齢者東京アプローチ社会実装事業

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東京アプローチが取り組む「認知症高齢者支援AI/IoTシステム」のパイロット事業とは?

認知症高齢者のQOLの向上
ご家族・介護スタッフの負担軽減

この事業はAIとIoTを用いて認知症の行動・心理症状(BPSD)の発症を予測し予防支援策を導くことで、認知症高齢者のQOL (Quality Of Life) の向上とご家族・介護スタッフの負担軽減を図ることを目的とした事業です。

東京都の「認知症施策の総合的な推進」のひとつとして、都と大学が連携し都内の介護施設と企業の協力のもと「認知症高齢者支援AI/IoTシステム」のパイロット事業を実施しています。

事業期間:令和2年4月1日~令和5年3月31日

双方向型IoTネットワーク
介護記録(年齢、性別、身長、体重、食事量、排泄回数等)環境センサー(温度・湿度・気圧・照度、音源探知、臭覚等)ビジュアルセンサー(表情認識、居室内運動、行動変容、睡眠覚醒状態、運動量等)バイタルセンサー(血圧・体温・呼吸数・脈拍等)
エッジシステム
各センサーで収集された日常でのリアルタイム情報をインターネットを用いて送信します。
認知症生体・行動データベース
生体・行動・治療・介護に関するデータベースが構築されます。
AI分析
人工知能(AI)がデータを分析し、行動・心理症状の発症予測や予防支援策の仮説を生成します。
医療・介護専門家分析
得られた仮説を医療・介護の専門家が、行動・心理症状の発症予測や予防支援策など多面的な解決策を導きます。
予測・対処法データベース
分析されたデータを予測・対処法データベースに蓄積し、介護者へ支援策がインターネットを介して、リアルタイムに伝えられます。

IoTが見守り、AIがサポート

パイロット事業では、認知症の方のお部屋に温度・湿度・気圧などを測定する環境センサーやビジュアルセンサー、ベッドセンサーなどを設置し、ご本人には腕時計型などのウェアラブルセンサーを装着していただき、体温・心拍数・呼吸数・生活動作・睡眠状態などを収集しています(センサーの種類は変動します)。

収集されたデータはAIと医療・介護の専門家によって分析され、BPSDの発症予測と予防支援策などがインターネットを介して介護スタッフに伝えられるようになります。
これによって早めに状況を把握し適切なケアを行うことが可能になり、BPSDの発症を回避したり緩和させたりすることができると期待されています。

安心して暮らせる未来を

AIが導き出すBPSDの発症予測や予防支援にもとづき、早め早めのケアを行うことができれば、認知症の方の不安を早期に解消し、ご家族や介護スタッフの負担を大いに軽減することが期待できます。

介護が必要な認知症高齢者が急増する中、介護現場のイノベーションが求められています。
AIとIoTにより認知症高齢者問題を多面的に解決する東京アプローチの事業に、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
安心して暮らせる未来を一緒に築いていきましょう。

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