article

東京都「大学研究者による事業提案制度」採択事業

AIとIoTにより認知症高齢者問題を多面的に解決する東京アプローチの確立


認知症高齢者東京アプローチ社会実装事業

Article

シンポジウム「認知症の未来へむけて」報告

2024年3月28日(木)15:30~17:00
電気通信大学 東36号館オブザーバトリ&Zoom配信

AIとIoTを用いて認知症の行動・心理症状(BPSD)の発症を予測し予防支援策を導くことで、認知症高齢者のQOLの向上とご家族・介護スタッフの負担軽減を実現しようと目標に向かって走り続けた4年間。
シンポジウムでは各法人からの報告と今後の展望が語られました。

講演:

  • 電気通信大学 田野 俊一 学長「プロジェクト全体像+将来像」(PDF)
  • 電気通信大学 南 泰浩 教授「「AIとIoTによる認知症BPSD予測」(PDF)
  • 順天堂大学 本井 ゆみ子 教授、中島 円 准教授「AI・医療・介護専門家による分析と新方式導出の評価」(PDF)
  • 認知症高齢者研究所 羽田野 政治 所長「施設対応の現場から+AMED(DeCaAI)」(PDF)
  • 東京都 小澤 耕平 課長「東京都の施策と今後の期待」(PDF)
  • 感謝状贈呈

総合討論(ファシリテーター:電気通信大学 岡山 義光 理事)

岡山
「4年間の知見と成果、今後への活かし方をお話ください。」
「世界的にも誰もやっていない貴重なデータです。データを収集しながらの分析は苦労もありましたが、ハードルの高い国際学会にも論文が通過しており、貴重な研究なので、引き続き続けていきます。」
羽田野
「認知症の方は種類も多く、病態ごとに違いがあることも分かってきたことも成果です。並行して介護人材不足の問題もあり、介護の方法や計画を模索していくのですが、データがあることで解決の道を探ることができます。」
田野
「当初、現場に結果を戻さない実験設定だったのが介護者のマインドに影響し、傲慢だったと反省しています。収集された世界に類を見ないデータは宝の山です。大学だからこそできる研究に活かしていきます。」
小澤
「データは宝、現場のご協力があってこその結晶です。もうひとつの宝が、「連携」そのものです。医療・介護・大学・企業が互いに連携し誠実に取り組む姿を見てきました。今、BPSDという言葉がどうなのかと考えています。問題行動と捉えがちですが、問題行動ではなく認知症の方からのメッセージだと捉え、丁寧に対応していくと改善されるものだと思います。今回の知見を共有し、共生社会を創っていきたいと期待しています。」

質問1

BPSDはメッセージだということに共感します。本人に通知することで緩和できるのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

回答 羽田野

照明、温度、湿度などの環境を変化させることで落ち着くことが科学的にわかっています。またご本人の理解できることや過去に寄り添うようなことも大切だと思い、AIとの会話の中からそのようなことを見つけ出す研究もしています。

回答 南

AIで温度や照明を変えればいいかと思っていたが、本人に伝えることができたら、変わることがあるだろうと思う。よい視点だと思う。

質問2

会話の中から認知症の早期発見ができるのではないか研究しています。研究を事業化したいとも思っており、お力添えをいただけるでしょうか?

回答 田野

絶対やりたいと思っている。共創進化スマート機構に入って一緒にやりましょう。

質問3

デバイスはネックレスや肌着装着などを検討して欲しいです。

回答 岡山

この研究には企業も参加しており、今後の研究につなげたい。

前の記事へ

次の記事へ